労働基準に関するQ&A

労働基準法の適用範囲は企業が決めることができる?

Q.現在の職場では長時間労働が慢性化しており、労働基準法に違反しているのではないかという事例が多々見受けられます。

しかし管理職の者にその旨を尋ねたところ「うちはそういう決まりで仕事をしていない」「法律をいちいち守っていたら利益など上げられない」などといった理屈で全くとりあってもらえません。

労働基準法は適用される範囲に何か決まりがあるのでしょうか?

A.労働基準法は全ての労働者に共通した規定です。

昔ながらの職人気質の経営者の方などは、質問のように「法律は法律、うちはうち」といった建前と本音の使い分けのように労働環境を考えておられるケースがあるようです。

確かに戦後まもなくからの好景気の時代には仕事をするほど儲けがあり、また労働者に対しての権利というものがきちんと整備をされていませんでしたので、経営者によっては相当厳しい労働環境があったようです。

しかしながら現在では制度の整備されており、違反があった事例についてもかなり細かく調べられるよういなっています。

残念ながら経営者個人の考えにより労働環境を勝手に劣悪にする契約を結ぶことはできません。

質問では長時間労働が最も大きな問題ということのようですので、タイムカードや勤務をしている人の日誌など実際に勤務をした労働時間を明確にすることができれば、差額分をあとから請求することができます。

現在では国策として「賃金不払い残業」を撲滅するべく労働基準監督署の監視を強めているので、証拠を持って監督署に相談に行くことをおすすめします。

事前提示された労働条件と異なる場合

Q.休職中にある企業からの「正社員」の求人情報を見つけ、条件がかなりよかったこともあり応募をしてみました。

しかし面接に行ったところ、ちょうど人員が足りてしまったことや私の方のスキルが少し足りていないということを理由に非正規雇用で採用をしたいというふうに言われました。

それは最初のことだけで数ヶ月働けば正社員になれるようなことも言われたので勤務を開始したのですが、そろそろ勤務1年になろうというのに全くその気配もありません。

他にも事前の提示内容とあまりにもかけ離れた業務を任されることもあります。

これは労働基準法違反ではありませんか?

Q.事前の条件と明らかに異なる場合には労働基準法違反になります。

求人情報においしい条件を乗せ、集まってきた求職者に対して劣悪な仕事に就かせるという悪質な求人を行う企業は残念なことに全国でよく聞かれる事例です。

質問のように非正規での雇用を強制する場合の他に、残業時間が事前提示の数倍にもなっていたり、給与の支払い内容が減らされていたりと、事前に提示した内容が全く虚偽であったこともよくあります。

労働基準法においては求人の際には正しく労働条件を明示しなければならないこととされているため、そうした実態とかけ離れた内容を掲載することは違反行為となります。

ただし求人情報誌やハローワークに提示される採用条件はあくまでも目安であり、必ずしもその通りに採用をしなくてはいけないというほど厳格なものではありません。

採用後に全く違う仕事を任されたり、面接時と給与の額が大きく異なっていたりといった明らかにおかしいと感じた場合にはまず労働基準監督署に相談をし、会社にうったえてみるのがよいかと思われます。