労働基準監督署とは?

労働法違反の最初の相談場所

自分が今置かれている労働環境が、労働基準法などの労働関連法から見ておかしいと感じたら、まずは最寄りの「労働基準監督署」に相談をしてみることをおすすめします。

労働基準監督署とは、労働基準法がきちんと守られているかということについて調査を行う公的機関であり、いわば労働者のための警察署という役割をしている場所です。

労働基準監督署は全国にあり、労働者からの訴えを受け付けるとともに独自の調査方法により定期的に管轄自治体の企業の就業環境について調べていきます。

ここ最近の傾向として、企業内での不祥事が発覚をするのはその企業に勤務して内情をよく知っている人からの「内部通報」が多くなっています。

内部通報がなければ今後何十年も劣悪な就業環境が続いていくということが予想されるような場合などには、匿名でもよいので早めに労働基準監督署へ連絡をしておくことがすすめられます。

ただし実際には公的機関であるからということもあり、労働基準法違反の疑いがあるというくらいではなかなか本格的に動いてはくれないという場合もあったりします。

ただ相談をすることでどういった対応をしていくべきかというアドバイスをもらうことはできるので、まずはどの程度よく話を聞いてくれるかということを見る意味で一度足を運んでみるのがよいのではないかと思います。

労働基準監督署で労働基準法違法と認定をされると

労働基準監督署では、明らかに労働基準法に違反しているということが分かった場合にはその企業に対して是正のための指導をしていきます。

特にケースが悪質と認定される場合には、より具体的な証拠をつかむために強制捜査やそれらを指示命令した責任者を逮捕するということもあるようです。

近年増加している残業代の未払いの問題のように金銭的なトラブルが起こった場合には、監督署から裁判所に内容が連絡されるのでそこで強制的に裁判所命令で支払いを命じるということもできます。

労働基準監督署では労災の認定も行っています。

労災についてもここ最近は労使関連の事件でよく聞く言葉になっていますが、業務執行中に怪我をしたり命を落としてしまったという場合において、その治療や賠償についても労働基準監督署が内容を認定して企業に対して命令を出していきます。

ただ労災についての賠償は本来的には就業規則などで企業が独自に基準を定めているものであるため、実際に労働者が労働基準監督署に直接訴えるのはその企業側からの認定や賠償内容に疑問があるというときになります。

労働基準監督署で取り上げられづらいケース

ここ最近は労使関係が複雑化していることもあり、労使トラブルの相談事例も増えてきています。

以前は労働組合など労働者が団結をして企業側に交渉をするというしくみがあったのですが、現在では労働組合そのものが存在している会社が減り、あっても交渉役として十分な役割を果たしていないということがほとんどとなっています。

そのため本来的には労働者自身が企業側と交渉するべき事例についても、個人で対応をしなくてはならなくなりそこですぐに労働基準監督署に相談に行くということもあります。

しかしながら労働時間の違反のように明らかに違反の証拠があり、是正命令が明確に出せる場合ならばともかく、解雇や採用、昇給や昇進といったことについてのトラブルは第三者機関である労働基準監督署が直接動くということは難しく、まず最初に自分で企業を訴えてそこで争議がまとまってから来てくださいと門前払されたりします。

もし労働基準監督署だけに相談してもうまく話が進まないという場合には、弁護士もしくは市民団体の交渉役にお願いをするなど別の相談機関を利用した方がよいようです。